
【わかりやすい】サチュレーションってなに?を解決
最終更新日:2023/02/27
DTMにおけるサチュレーションとは、トラックにアナログ感を与えることです。
今回の記事では、サチュレーションプラグイン、いわゆるサチュレーターについてわかりやすく深掘りしていきます。
またおすすめのサチュレーションプラグインはこちらにまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは早速みていきましょう。
目次
サチュレーションプラグインとは
サチュレーションプラグインとは、トラックにアナログ感を与えるプラグインのことです。
サチュレーションプラグインを使うことで、真空管アンプやアナログ卓などに通した時の独特の温かみ(やその歪み)を作ることができます。
具体的には
・真空管アンプをシミュレートしたプラグイン
・リールテープやカセットテープをシミュレートしたプラグイン
・SSLなどのアナログ卓をシミュレートしたプラグイン
など
アナログ機材をシミュレートしたプラグインには
サチュレーション効果が得られるものが多くあります。
サチュレーションプラグインを使う理由
前述のとおり、サチュレーションプラグインは使うと得られるアナログ感。
このアナログ感がトラックにもらたす効果は大きく3つ。
・独特のキャラクターをつけられる
・DTMのデジタル感を減少させられる
・音ヌケがよくなる
それぞれ解説していきます。
理由1. 独特のキャラクターをつけられる

サチュレーションプラグインを使う理由として、
最初に浮かぶのは、ビンテージ・アナログ機材の音をDTMでも使うためです。
近年人気のlofi系では、カセットテープやレコードの音をシミュレートしたサチュレーションプラグインがよく使われています。
一方でエレクトロ系などでも、マスターテープや真空管の音を再現したサチュレーションプラグインなどがよく使われています。
理由2. DTMのデジタル感を減少させる

理由の2つ目は、DTMのデジタル感を消す為です。
アナログ機材を通すことで得られる温かみは、
機材が不本意に発してしまったノイズや倍音によるものです。(後述します)
いわゆる音を汚すという表現がよく使われますが、
サチュレーションプラグインを使ってこういったノイズや倍音を付加させることで、デジタル感を減少させることができます。
理由3. 音ヌケが良くなる

主にミックスの段階で使う方法ですが、
サチュレーションプラグインを使うことで、埋もれがちなキックやベースを聞こえやすくすることができます。
iphoneスピーカーで低音が聞こえない問題も、サチュレーションプラグインをうまく使うことである程度解決できます。
ではサチュレーションプラグインを使うことで
どうしてこのようなGoodな効果が得られるのでしょうか?
さらに詳しくサチュレーションを解説
実際にプラグインを使いながら、もう少し詳しくみてみましょう。
【検証】サチュレーションプラグイン効果
こちらはドの音をシンセのSine波で鳴らした時のEQです。

約260Hzのあたりに大きな波ができています。
ここにサチュレーションプラグインであるSoundtoysのRadiatorを適応すると、

たくさんの波ができました。
この波を詳しくみると、
元になったドの3倍の周波数のソ、5倍のミが鳴っています。
ドミソ、つまり結果としてドの和音が鳴っているのです。
【結果】サチュレーションプラグインによる温かみとは

検証の結果、サチュレーションプラグインを使うと、
鳴らした音の周波数の整数倍の音(倍音)が鳴ることがわかりました。
本来ドの音だけ出したいのに、
それ以外の音やノイズも乗ってしまい、
結果として音に複雑味が増してコードができたりするため、
アナログ機材では独特の温かみが生み出せるのです。
また前項ではドミソと書きましたが、
実際にはさらにオクターブ高い音も出ています。
そのためスマホのスピーカーなどでも、
低音パートのオクターブ上の音が聞こえるため、
音抜けが良くなったと感じます。
サチュレーションプラグインでアナログな歪み
歪みといえば、やはり一番有名なのはオーバードライブですよね。
(僕が初めて買ったODはBossではなく、なぜか3万もするFine)
これも元々は
「クリーントーン出したいけど入力が大きすぎて歪んじゃった!」
が起源です。
サチュレーションプラグインもInputを大きくすることで、
アナログ感のある歪みを得ることができます。
というわけで、
サチュレーションプラグインをトラックに使うと
・アナログ感のある独特のキャラクターが付けられる
・DTMのデジタル感を減少できる
・音ヌケが良くなる
というメリットがあるため、
サチュレーションプラグインは、lofi以外にも大変オススメとなっております。
番外編・Little RadiatorとBiasスイッチ

今回検証に使用したSoudtoysのRadiatorは真空管アンプをシミュレートしたサチュレーションプラグイン。
あのDirty projectorsのミックスエンジニアも使っているというプロ仕様のプラグインです。
一方でLittle Radiatorという、同じくプロ仕様ながらも現在無料配布中のプラグインをSoundtoysが出しています。
このプラグインにはBiasスイッチという、
あまりに特徴的すぎて、販売元のSoundtoysがデフォルトでOFFにしちゃってる謎スイッチがついています。
実際BiasスイッチをONにすると、
「もはやオクターバーなのかな?」
と言いたくなるような倍音が乗ってきます。

ただこの倍音がドラムとの相性が最高なのです!
キックは厚みが出て、
スネアにはざらっとしたテクスチャが乗ります。
ハットなどの金物はミックスで歪みをかけたりしますが、
Little Radiatorでもいい具合に自然な歪みがかかります。
特にクローズハイハットは叩かれた感・リアル感が出ると感じました。
無料で使えるサチュレーションプラグインもある
無料で使えるサチュレーションプラグインはこちらにまとめているので、参考にしてみてください。
まとめ
このようにサチュレーションプラグインの倍音(アナログ感)はDTMをする上で非常に重要です。
サチュレーションプラグインの中には無料で使えるものもあります。
早速サチュレーションプラグインを取り入れて、
ワンランク上のトラックメイキングを目指しましょう!
ではまた次回!