
【設定例付き】サイドチェーンで簡単にノリを作るコツ
最終更新日:2023/02/03
DTMでノリを作るには、サイドチェーンを使ったダッキングをするのが一番。
今回はコンプレッサーを使ったサンドチェーンの方法と設定例について解説していきます。
目次
そもそもサイドチェーンとは
サイドチェーンとは、特定のプラグインが持つ機能の一つ。
あるトラックをフックにして、他のトラックにエフェクトを与えることができます。
例えば、ドラムが鳴っている時だけベースの音量を下げるコンプレッサーや、シンセの音階を読み込んでボーカルの音程を調整するボコーダーなどがあります。
そして今回紹介する「ノリを作る方法」は、コンプレッサーのサイドチェーンで行うダッキングという手法。
ノリを生みだすダッキングとは
現代の音楽シーンで非常によく耳にするダッキングを使った音源。
EDMではうねるような極端なダッキングを使いますが、Funkやソウルといったノリを重視するジャンルをはじめ、ポップやロックなど、あらゆるシーンのミックスでダッキングが使われています。
一般的には
・キックの音が鳴っている時だけベースやPadの音量を下げる
・キックの音が小さくなるとベースやPadが元の音量に戻る
という2つをコンプレッサーを使って自動で行うことにより、ゥワンゥワンというダッキング効果を得ることができます。
ノリを作るコンプレッサーのコツと設定例
ダッキングでノリを生みだすコツは、コンプレッサーのリリースタイムの設定にあります。
「コンプのリリースタイム = 音が戻ってくるまでの時間」
例えば4つ打ちのキックをフックにベースをダッキングをする場合、ベースの音は下記の2つを満たす必要があります。
・キックが鳴る4つ打ちの頭でベースの音量が下がってほしい
・次のキックがなるまでにベースの音量が戻ってほしい
つまり、このベースの音が戻ってくるタイミングをしっかり計算することで、ノリを生みだすことができます。
コンプレッサーの設定
動画内ではLogicのデフォルトコンプを使って解説していますが、他のコンプでも仕組みは同じです。
デジタルコンプまたは、反応の早いVCAコンプが色付けもないのでおすすめです。
今回はキーボードのトラックを、キックの4つ打ちでダッキングさせます。

①まずキーボードにコンプレッサーをさします。
②サイドチェーンにキックのチャンネルを指定。

③アタックは可能な限り早く設定。リリースタイムは簡単な無料ツールを使って計算していきます。
リリースタイムの計算方法
リリースタイムはBPMに合わせてms(ミリ秒)で設定します。
今回使うのは、シンプル・ディレイタイム計算機。
①今回のBPMである120を入力すると、リアルタイムでmsが計算されます。

②4つ打ちの裏拍でちょうどキーボードの音が戻ってくるようにしたいので、1/8をクリック。

③250msがコピーされるので、コンプレッサーのリリースタイムにペーストすればOK。
リリースタイムの計算方法がわかれば、シーンに合わせてスレッショルド・レシオ・そしてリリースタイムを設定するだけです。
クラブサウンドのうねるサイドチェーン例
うねるようなダッキングは、コンプレッサーを極端な設定にして、強めに圧縮させればokです。
・スレッショルドを低めに設定(-21dBくらい)
・レシオは高め(5.0:1〜8.0:1くらい)
・リリースタイムはシンプル・ディレイタイム計算機の1/8。
コンプによりますが、-10dbを超えると露骨に歪むので、やりすぎない程度にスレッショルドとレシオを調整しましょう。
キックとベースのミックス用サイドチェーン例
ベースとキックの低音が集中する60Hzあたりをスッキリさせるには、ベースにコンプを使いダッキングするのがミックスの常識の一つ。
圧縮しすぎずにベースとキックが馴染む自然な設定にしていきます。
・スレッショルド高め(-10dbくらい)
・レシオは低め(2.0:1〜3.0:1くらい)
・リリースタイムはシンプル・ディレイタイム計算機の1/32〜1/64くらいに設定して、キックをちょうど回避するくらい短めに設定。あえて1/8でノリを出すのも、もちろん◎です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
サイドチェーンをうまく活用することで、簡単にトラックにノリを作ることができます。
今回の設定を基準にトラックや使用するコンプに最適なリリースタイムを見つけてみてください。
ではまた次回!