【レビュー】WavesfactoryのCassetteプラグインは買いなのか?

【レビュー】WavesfactoryのCassetteプラグインは買いなのか?

最終更新日:2023/01/25

今回はWavesfactoryカセットテープをエミュレートしたプラグインCassetteをご紹介します。

最初に言うと、個人的に答えは買いだと思います。

Lofiや普段の音作りにも使えそうなサチュレーションプラグインCassette

それでは早速みていきましょう。

WavesFactoryのプラグインCassetteとは

その名の通りカセットテープを再現したDTM・DAW用のプラグインです。

Cassetteの商品ページはこちら

トラックに差すことでカセットテープ独特の温かみ特定音域が削られることよるチープさ、

フラッターと呼ばれるテープならではの音の揺らぎ、やInputを過度に大きくするとで柔らかい歪み(saturation)などを与えることができます。

実際にWavesfactoryのCassetteを使ったトラックがこちら。

マスタートラックに差していますが、中でもピアノとギターにサチュレーションが加わっているのがわかります。

無数にあるカセットをエミュレートしたプラグインですが、Wavesfactoryには他にない特徴があります。

特徴

4種類のカセットをエミュレート

4種類のカセットをエミュレート WavesfactoryのCassetteプラグイン
4種類のカセットをエミュレート WavesfactoryのCassetteプラグイン

実はカセットテープは素材によって4種類あり、それぞれで音が異なります

Cassetteにはその4種類が全てを収録。

  • Type I : 一般的に使われているテープ。ノーマルテープと呼ばれる。
  • Type II : 少しグレードの高いハイポジションテープ/ハイポジはノイズが少なく高域のレスポンスがよい
  • Type III : 70年代半〜80年代初頭の間だけ生産されていた今ではなかなか手に入らないフェロクロムテープ
  • Type IV : 70年代末に登場したメタルテープは堅い低音と広い高音域を特徴が特徴。

3種類のカセットデッキモデリング

3種類のカセットデッキをエミュレート WavesfactoryのCassetteプラグイン
3種類のカセットデッキをエミュレート WavesfactoryのCassetteプラグイン

さらにこのプラグインにはpro / home / microの3種類のカセットデッキのエミュレーターが付属。

それぞれ音の質感が全く異なります

ざっくり、proは現代のサウンドに近く、homeは低音高音が削れて温かみのある感じ、microはハイパスフィルターを強めにかけた感じです。

トラック名がカセットに記入されるのも可愛い WavesfactoryのCassetteプラグイン
トラック名がカセットに記入されるのも可愛い

4種類のテープ x 3種類のデッキで、12パターンのカセットサウンドが再現できるのですが、

Cassetteには、さらにまだ素晴らしい機能がついています。

フラッターやモジュレーションの微調整可能

フラッターやモジュレーションの微調整可能
フラッターやモジュレーションの微調整可能

Cassetteではflutterとwowのdepthだけではなくrateも変えられます

これが調整できないプラグインでフラッターを使うとロボットみたいになってしまいますが、Cassetteではちょうど良い揺れ(rate)とかかり具合(depth)を調整できます。

Random Snapという機能

テープの一瞬の揺らぎを再現
テープの一瞬の揺らぎを再現

これもCassette独特の機能で、テープが一瞬よじれて起こる揺らぎをランダムに発生させることができます。

発生頻度を0%〜100%で選択でき、個人的なおすすめ忘れた頃にやってくる1%です。

Re-cassetteとerasureという機能

Re-cassetteとerasureという機能
Re-cassetteとerasureという機能

re-cassetteは一度カセットに録音した音を他のカセットにダビングした時を再現した機能で、4回これを繰り返したパターンまで設定できます。

回数を増やすごとにノイズと歪みが乗っていき、クールなlofiも作れそう。

新品のカセットもダビングしまくったカセットも再現できる
新品のカセットもダビングしまくったカセットも再現できる

erasureはカセットにオーバーダビング(上書きで録音)していった時の再現で、0回(新品テープ)〜20回まで設定できます。

こちらはハイが削れていき、優しい歪みがかかっていきます。

これもアナログ心をくすぐる機能ですね。

デメリット

非常によく使うプラグインですが、現状のところデメリットは感じておりません。

強いて言えば、細かい設定や複数のエミュレーションが不要な方は、一旦無料のカセットプラグインを使ってみると良いかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

他のカセットプラグインも使い比べた上で、

圧倒的なエミュレーターの数細部まで調整できる実用的なプラグイン、WavesfactoryのCassette一択だと思いました。

トライアルも可能なので、購入を検討されている方は一度試してみると良いですね◎

Cassetteの購入・デモ版DLはこちら

余談・This is a Time Machine

This is not a tape machine, this is a time machine.

これはテープマシーンではなく、タイムマシーンだ!

という謎の名言で始まる公式ページのプラグイン説明、読み進めていくと、

自分の音楽をかたち作った、あの子供時代に戻れるプラグインということです。

lofiなあなたも、ノンローファイなあなたも、このプラグインを買って、さあ、戻ろうよ子ども時代へ・・・!

それではまた次回!


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記事を書いた人

南家 快星Kaisei Nanke

DTM歴16年。 絵と音楽を作りつつ、WEBデザインの仕事を掛け持つフリーランスクリエイター。

東京とパリでグラフィック/web/インテリアデザイナーを経験後、2020年からイラスト・絵画の販売を開始。
2021年度国連世界人口白書をはじめ、L'occitane、メルカリなどのサービスに挿絵やイラストを提供。作品はこちら

2022年にKuai Tapesを結成し、1st EP『Can't swim so I stay』を配信スタート。

Making & Howto videos On Instagram メイキングビデオをインスタに掲載中

kuai_xingのインスタ @kuai_tapes